これは、昨年の1次試験の後から今年の2次試験受験までの体験を書いたものです。始めに申し上げておきますと、今年の私はとてもバランスの良い勉強が出来たとは言えません。ですが、受験を志す人がかならず質量ともにバランスの取れた準備が出来るとは言えませんし、モチベーションが途切れかける中で取り組みをどのように続けるかというのは(特に1次合格後は)非常に重要だと思いますので、その面からの何かの参考になればと思います。
去年の1次試験は結構手応えがあったため、迷うことなく受験直後から2次対策を始めました。やった内容は施策のまとめが中心です。600字は白書のまとめなどから8つほど、200字は100個ほどを作りました。これには、FLICSオンラインの中対ゼミが大変役に立ちました。ただし、事例は何とかなると思っていたため、今振り返ると有効な準備をほとんどしていません。問題文をそこそこに読んで各設問に取り掛かり、それなりの解答が書けることに満足してそれ以上踏み込まなかったのでした。
そして、2次試験本番。施策・事例とも、自分ではそれなりの手応えを感じていました。正直、合格を確信していたものです。しかし、結果は不合格。おそらく、施策は充分合格点に達していたと思います。しかし、事例については、あとで見直してみると設問ごとに解答の視点がばらばらでした。おそらく、これが致命傷になったのだと思います。
事例で解答の視点がばらばらだった、1つの問題に対する解答として統一的なストーリーを提示できなればならない。ここまでは自分で納得が出来ました。ではどうすれば良いのか。私の勉強の基礎となったのは、今年の弱小でやった「業種業態ごとの問題点を白書から掘り返す」というプロジェクトでした。これは、大雑把に分けた(製造業・サービス業・流通業)業種について、国が理解している(=白書などの刊行物に書かれている)問題点を把握し、それに対する対応、それを支援する施策を理解すると言うもので、受験部門を越えて論議した非常に有益なものでした。これによって、事例の基礎が出来たと思います。
このあたりから多忙のために準備計画が崩れて来ます。が、やるべきことは自分の中では見えて来ました。つまり、事例をひたすらやることです。
事例については、5年分ほどの過去問をひたすらやりました。受験機関の用意する模擬問題に比べ、後述するような視点で取り組む際には過去問は非常に良く出来ています。
私が最終的にたどりついた勉強方式は以下のようなものでした。
ここで、同じ問題を何度も繰り返してという点について、「解答を憶えてしまうのでは」と心配する人もいると思いますが、私にはその心配は不要に思えます。曖昧な、あるいは不満足な部分については、チャレンジのたびにベストの解答は変わるはずですし、そうでない、何度やっても同じ解答になる部分は自分のベストなのですから、無理にいじることもないでしょう。
また、事例では「唯一の解答はない。整合性があれば良い。」と良く言われます。私はそれを否定はしません。しかし、その時点での自分の知識・能力で作れる解答にはベストがあると思います。常にそれを求め、イメージの中のベストの解答と現実のアウトプットとの差違分析を行なっていくことが必要でしょう。勉強会で事例についての意見を交換することは大変有用で、受験対策を離れても面白いものですが、そのためにはそこまで自分の意見を詰めておくことが大事だと思います。聞いているだけ、あるいはその場での自分の思い付きを口にするだけでは、勉強会の意義は激減してしまいます。
この方法に慣れていくと最後には、問題文と設問を読んで考えているうちに、仮想の報告書全体の章建てや方向性、設問になってない部分に何が書かれているかなども「見える」ようになり、非常に面白かったです(さすがに本番ではそこまで行きませんでしたが)。モチベーションの低下する中受験にたどりつけたのは、この面白さが主因でした。
このあたり、受験準備が佳境に入る頃ですが,私はプライベートで色々あったりして、ふてくされて毎日とあるテレビ番組(モロバレだって)を録画して何時間も見てたりとか、完全にモチベーション管理に失敗していました。
前節で述べたように事例は面白さが分かってきたのでなんとか準備を続けられましたが、中対は控え目に言ってもあまりやっていません。まぁ、今だから言えるのですが、事例で納得の行く答えが書けるようになるのが先だとは思います。施策については、200字で30個程度の基本的なものと白書に載っているトピックスを押さえておけば、足きりにはならないのではないでしょうか?でも、やらないと不安になるし(今年は中対の準備が出来なかったので半分諦めていた)、一定の努力は必要ですよね、やっぱり。
まず、運に恵まれた事を書いておかないと不公平になりそうです。中対では皆がノーマークのパサージュを思い出せましたし、事例では私の得意分野のデータベースが出題され、DFDがなくなってERD(こいつは何も考えずに書ける域に達している)が初登場しました。
ただ、試験会場で非常に冷や汗をかいたのは、80分4本という試験に対して気力が持たずに緊張が切れかけたこと、そして、時間配分のコツを忘れて幾つかの解答欄を空白で出してしまったことです。試験の直前には、精神面も含めたベストコンディション作り、そして、80分と言う時間を意識した時間配分の練習などを行なっておくべきですね。結果オーライだった訳ですが。
本当だったらここで参考文献などを上げる所なんですが、今年はそれらしきモノはほとんど使っていません。過去問と白書、あと事業団の施策リーフレットくらいですか。施策総覧すらまともに開いていなかったりします。
なんか、あんまり勉強会の効用を書いてないような気もしますが、2次では教育機関を使わなかった私にとって、弱小勉強会は日常生活と診断士受験を目に見える形でつなぐ唯一のものでした。モチベーション維持の最後の絆だったと思います。その意味で、私の合格は弱小勉強会あってのものです。みなさん、ごいっしょに頑張りましょう!
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